Fumifumi談義~シャトー・マルゴー~

Fumifumi談義~シャトー・マルゴー~
年末、シャトー・マルゴーを飲みました。

ワインの仕事について25年、ボルドー訪問時やワイン会、試飲会など、色々な場面でシャトー・マルゴーを経験してきました。

自宅のセラーや実家の蔵にはシャトー・マルゴーだけではなく、私にとっては高価なワインが数十本あります。

そんなワインを飲むときには「誰と一緒に?」といつも考えます。ボトルの容量の違いで一緒に飲む人数設定は変わりますが、なるべく多くの人と経験したいと思う気持ちはいつも同じです。

心境の変化があったというわけではないのですが、自分が飲みたいワインを好きなだけ飲んでみたいという衝動にかられ、2001年シャトー・マルゴーを手に取りました。

でも衝動だけで飲んでしまってはレッドカードが出そうな大切なワイン。

「自分へのご褒美にダイヤの指輪」とか「頑張った自分にブランドのバック」のように「一年間頑張った自分にご褒美ワイン」という理由をつけて飲むことにしました。

抜栓しながらワインの味を想像しました。

その時ふと頭に浮かんだのは、2016年春、復活祭の朝に亡くなられたシャトー・マルゴー総支配人のポール・ポンタリエ氏の「ベルベットの手袋の中の鋼鉄の拳」という言葉。

ベルベット(velvet)は表面が起毛したなめらかで優しくて触り心地の良い織物。

2枚の生地をつなぐように糸を織り込んでいき、生地と生地の間の糸をカットするというかなり手の込んだ工程で作られています。

13世紀にイタリアで誕生したベルベットは、華麗で気品あふれる美しさと艶やかな風合いで王侯貴族の正装には欠かせないものとなりました。

いまでこそ機械で織ることができますが、100年前までは手作業で作られる職人技。

そんな高貴なベルベットの手袋に包まれた鉄のように強靭な拳を思わせるシャトー・マルゴー。

五大シャトーと呼ばれるトップワインの中で女性的といわれるのはきっと美人アスリートのように綺麗で強いワインだから?

以前、ワイン雑誌のインタヴュー記事で知ったのですが、現オーナーのコリーヌ・メンツェロプーロス氏は「女性的ではない」と言い、ポンタリエ氏は「女性的という言葉のとらえ方で意味が変わる」と発言しています。

ポンタリエ氏が思う女性的とは、何か弱いもの、何か守らねばならないもの、という意味ではないとのこと。

マルゴーは強いワイン、でも殴りかかるような強さではなく、大きく抱えられるような包容力としての強さがあるワインだと説明しています。

「包容力という強さを持った女性」素敵な響きですね。

今年はそんな人になれるよう努力してみようかなと、昨年飲んだシャトー・マルゴーの味を思い出しながら一年の抱負をあれこれ考えている元旦です。


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