ニュージーランドでワインを造る醸造家・小山竜宇氏のメーカーズディナーを開催いたしました。
会場は江戸前寿司伝統のスタイルを継承している「つきぢ神楽寿司」さんです。
私は、以前からリースリングとお寿司の組み合わせが大好きで、最近では赤ワインとマグロの組み合わせにもはまっています。
今年のメーカーズディナーは参加者の皆様に、そして小山氏にもお寿司とワインのペアリングを楽しんでいただこうとずっと考えていました。
伝統の天然赤酢を使ったシャリ、新鮮な魚介類、そして究極の炙り寿司とリースリング、ピノ・ノワールの組み合わせが楽しみでした。
リースリングは同じ年号の2銘柄を使用しました。
2015年は培養酵母と天然酵母をそれぞれ使用して同一畑で2タイプのリースリングが造られました。
培養酵母使用のコヤマ・タソック・テラス・ヴィンヤード DV 10・リースリングは、シャンパーニュ地方原産の培養酵母「DV 10」で発酵させています。
実は、毎年「DV 10」を使用しているそうなのですが、2015年は自生酵母で発酵したリースリングと区別するために、あえてラベルに「DV 10」という酵母名を記載したそうです。
収穫は手摘みで全房のまま圧搾、温度管理された発酵槽と培養酵母を使用、約4カ月発酵が続き、残糖度が約18g/リットルになった時点で発酵を止めました。
自生酵母で発酵したコヤマ・タソック・テラス・ヴィンヤード ワイルド・イースト・リースリングは、DV 10リースリングに用いたブドウよりも10日ほど遅く収穫されました。
ブドウは手摘みで、全房圧搾、自生酵母により4ヶ月かけて発酵、タンクを冷却させて発酵を止め、残糖は13.5g/リットルです。
自生酵母による発酵は2015年だけではなく、毎年一部のタンク内で発酵が始まり、いつも途中で発酵が自然に止まってしまうそうです。
今年は自生酵母だけで発酵が終了したタンクがあったため、単品での製品にしたとのこと。
テイスティングをして驚いたのですが、この2つのリースリングは似て非なる味わいで、酵母がワインに与える影響を見せつけられたような気がしました。
「リースリング」という一つの品種で、こんなにも楽しませてくれる小山氏は本当に素晴らしい醸造家だと思います。
ますますコヤマワイナリーのワインの大ファンになってしまいました!!