先日、2004年と1998年のシャンボール・ミュジニィを飲みました。
造り手はブルゴーニュ地方のシャンボール・ミュズニィ村に本拠地を構えるドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエです。
どちらの年号のワインも栃木県那須塩原にあるセラー代わりの大谷石の蔵に購入後すぐに入れました。
グラスにワインが注がれている最中は、ダメージがありませんように、感動する味わいに育っていますようにと、いつも色々な思いが頭の中をよぎります。
2004年と1998年の味わいの印象は全く異なりました。
1998年は「今日、私を飲んでくれてありがとう」といっているような気がしました。
熟成が進みすぎているのではなく、エレガントさの中に力強さもあり、そして熟成した味わいの中に若々しさもあり、この日のために準備を重ねてきたような印象を受けました。
2004年は現在12年経過、あと6年経つと1998年のような熟成の域に達するのかを考えながら飲みましたが、確信が得られないままグラスのワインが無くなりました。
でもどちらも素晴らしいワインには違いありません。
何が違うのか?
スクールの授業で使用するのであれば細かく調べてからテイスティングするのですが、今回は飲んでみたいという衝動に駆られて開けたヴィンテージ違いです。
このままやり過ごすのはいけないと思い、自宅に戻ってからこのワインについて調べてみました。
このドメーヌは、1924年にクリストフ・ルーミエ氏の祖父ジョルジュ氏が結婚の際に花嫁の実家が所有していたシャンボール・ミュジニィ1級畑レ・ザムルーズ、レ・フュエ、そして特級畑のボンヌ・マールから始まります。
その後、特級畑のボンヌ・マールを買い足し、モレ・サン・ドニの1級クロ・ド・ラ・ビュシエールを単独所有、念願だった0.1haの特級畑ミュジニィも購入しました。
シャンボール・ミュジニィ1級畑のコンボットは、村名シャンボール・ミュジニィに混ぜられていましたが、2005年から単独で瓶詰めされるようになりました。
2003年に選果台を導入、畑での選果に加え醸造所でもブドウの選別が行われています。
発酵容器は1998年までは木製開放桶を使用、その後、ステンレスとセメントのタンクを併用するようになり、2009年以降はほぼ100%ステンレスタンクに切り替わっています。
1998年ヴィンテージは木製開放桶が使用されていたこと、2004年は十分な選果を行い村名ワインに一級畑のワインが入っていたかもしれないことが分かりました。
しかし残念なことにこのワインはもう手持ちがなく経験できません。
もし同じヴィンテージがあったとしても管理の状況により味わいも変わってくるはずです。
残念!
自分にとって特別なワインは、最初に下調べをしてから飲むべし!です。