日本ソムリエ協会呼称資格一次試験に以下のような出題がありました。
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16世紀半ばから17世紀初期の南蛮貿易で、織田信長公に献上されたポルトガルの赤ワインの名称を1つ選び、解答欄にマークしてください。
1.珍紅酒
2.珍葡酒
3.珍蛇酒
4.葡萄牙
(答えは文末)
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確か、大河ドラマか何かで織田信長がワイングラスで赤ワインを飲むシーンがあったような気がします。
ポルトガル人が赤ワインのことを「ティント」や「ティンタ」と言っているのを聞いた当時の日本人が、赤い液体は珍しい蛇の血に違いないと「珍蛇」いう当て字をしたというのは意外と有名な話だと思っていました。
ところが、試験後に受験生の感想を聞いてみると、この問題は簡単だったという人と、難しかったという人に分かれました。
私が調べた人数では調査とはいえませんが20~30代のほとんどの方が難しかったと言っています。
南蛮貿易や珍蛇に関しては日本ソムリエ協会教本のポルトガルの歴史の箇所に100文字ほどで記載があります。
私は入門講座や基礎講座などで楽しい四方山話として珍蛇酒の話はしますが、南蛮貿易にふれたことはありませんでした。
そういえば「南蛮」で思い出すのは料理名だけです。
お蕎麦屋さんには鴨南蛮、カレー南蛮、肉南蛮のメニューがあります。
その他、南蛮漬け、チキン南蛮、南蛮みそなども身近な料理名です。
ポルトガル人の食事にネギが多く使われていたため、ネギを使った料理に「南蛮」がつくようになったとか。
また、唐から伝わったといわれる唐辛子の渡来経路が南蛮船だったことから、唐辛子を使った料理にも「南蛮」がつきます。
16世紀後半、香味にネギや唐辛子を用いたり油で揚げたりする手法が日本に伝わり、現在の家庭料理にも浸透しているのですね。
ちなみに当時の日本には、魚を油で揚げる料理方法はなかったそうですよ。
私は小あじの南蛮漬けが好きでたまに作りますが、唐揚げをネギや唐辛子を入れた合わせ酢に漬けた料理のことを「南蛮漬け」と呼ぶようになったことは知りませんでした。
今度、南蛮漬けを作ったらポルトガルワインと合わせてみようと思います!
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答え(3)珍蛇酒