先月末、20数年前に通っていたワインスクールの仲間が集まりました。
同窓会の会場は、当時ワインスクールの事務局担当だったワイン仲間の嫁ぎ先のお店。
各自好きなワインを持ち寄らせていただきました。
西オーストラリアのモスウッド・シャルドネ1998年と2004年のヴィンテージ違いや、同じく西オーストラリアのケープメンテル・ジンファンデル1998年など、思い出話に花が咲きそうなものばかりでした。
どれもこれも素晴らしいワインだったのですが、大いに話が盛り上がったのは、偶然1987年と1990年のヴィンテージ違いが揃ったロバート・モンダヴィのカベルネ・ソーヴィニヨン・リザーヴでした。
1987年は、落ち着いた酸味となめらかな渋味のバランスが良く余韻に伸びがあり素晴らしい熟成を経ていました。
もしかすると、ボルドー地方のそうそうたるシャトーと比較しても遜色ない、もしくはモンダヴィのほうが格上の品質かもしれないと感じさせるほどでした。
ちなみに評論家ロバート・パーカー氏のポイントは97点、飲み頃は25~30年(2012~2017年)です。
ピンポイントの30年熟成で飲めたことに感激、その美味しさに感動、パーカー氏の予言通りだったことに感心!みんなの話が止まりません。
1987年と1990年を飲み比べると、不思議なことに1987年のほうが若い印象を受けました。
管理や保存、コルクの状態により、瓶熟の差はあるかもしれませんが、1970年から1980年代にかけてのアメリカ・カリフォルニアワインは別格だったという結論になりました。
そして、栽培醸造の技術革新が目まぐるしい昨今、若手の醸造家がお手本にしたいのは、古き良き時代のロバート・モンダヴィが手掛けてきたようなワインだという話に。
現代風のきれいで隙のない完成されたスタイルではなく、フランスに追いつけ追い越せと一生懸命頑張っている時代のワインにあこがれる醸造家が多いらしいのです。
ふと、こんな言葉が頭に浮かびました。
『温故知新』
「昔のことをよく学び、そこから新しい知識や道理を得ること」
「昔の物事を研究し吟味して、そこから新しい知識や見解を得ること」
古いワインをお手本にすることで、新しいワインの技術を見いだすこともあるかもしれません。
同じスタートラインからワインの勉強を始めた仲間との再会は、新しい発見が沢山ありました。
また、みんなと美味しいワインを共有したいと思います。
余談ですが、私が持参したワインは思い出のワインではなく、大好きなニュージランドのコヤマワイナリーのリースリングでした。
当時の思い出のワインにするべきだったかなと思いましたが、今の私にとって新しく思い出になる美味しいワインで良かったと思いました。