埼玉県での仕事帰り、ホームで電車を待っていました。
その日は猛暑で夕方になっても少しも涼しくなりません。
その暑さに加えて、セミナーでしゃべりっぱなしだったので、喉がカラカラに乾いていました。
お水を買おうと思い自動販売機の前に立ったところ、画面の飲み物の写真に「おすすめ」の文字がでました。
今日は日本茶がおすすめ?
あまり気にすることなく自動販売機から少し離れて、やっぱり炭酸飲料にしようかなと考えていたところ、別の人が販売機の前に立ちました。
おすすめがオロナミンC変わりました。その人が立ち去った後、私が販売機の前に立つとおすすめがまた日本茶に。
電車が来るまであと15分、Googleでこの自動販売機について調べてみました。
清涼飲料などの自動販売機事業を展開するJR東日本ウォータービジネスの“マーケティング頭脳”を搭載した自販機だということが分かりました。
本体内部には購入者の属性を判断するカメラが搭載されていて、購入者の性別や年齢にあわせておすすめの商品を表示することができるとか。
骨格、目、口、鼻など顔の特徴点から、性別や年齢層を10代、20代、30代など10歳刻みで推定しているそうです。
搭載されたカメラの精度は、性別が94%、年齢が75%までわかるというすぐれもの。
性別と年齢層に時間帯や気温などを加味し「こういう商品がいいのではないか」という仮説を立てて提案をしているそうです。
時間帯は早朝、朝、昼、夕方、夜、深夜の6段階、気温は最高気温と最低気温で9段階に分け、それぞれの条件ごとにおすすめ商品をプログラムに設定しています。
条件を組み合わせていけば、最大750通りぐらいのおすすめパターンが提供できる計算になるそうです。
この自動販売機は私の性別と年齢を見破ってお茶をすすめていたのですね。
電車が来るまであと3分、表情を変えたらおすすめも変わるかもと思いつき、目を大きく見開き笑顔になって、自動販売機の前に立ってみたところおすすめが日本茶からカルピス飲料に変わりました。
ワインが好きだけど自分の好みに合うワインがわからない、という人にはこんなシステムを搭載しているワインの自動販売機があったら便利かもしれないという考えが一瞬頭をよぎりました。
いやいや待てよ・・・。
世の中にはコーラ、ジュース、紅茶、日本茶、コーヒーなどさまざまな清涼飲料水がありますが、それらの味は頭の中で大体想像がつきます。
ワインの原料はブドウですが、ブドウ品種、色のタイプ、味のタイプ、年号、生産地、樽の関与や熟成度合いなど、様々な要素が絡みあい種類は無限大になります。
それに清涼飲料水は誰と飲むかで味が大きく変わるものではありません。
ワインは、一緒に飲む人や料理の相性など外的要素の変化で味の印象が変わるものです。
色々試して、一人で飲むとき、二人で飲むとき、大勢で飲むとき、料理のジャンルやその他諸々、それぞれに合った美味しいワインを探すのもワインの楽しさのひとつです。
とはいえ、性別や年齢層、時間帯、気温などを判断してワインをおすすめしてくれる販売機があったら面白そうですね!
清涼飲料水はお茶でしたが、私にはどんなワインがピッタリなんでしょう?