お料理番組が好きなのですが、最近特にNHK BSの「あてなよる」という番組が気に入っています。
「あてなよる」の「あて」は酒の肴(さかな)のこと。
極上の「あて」でお酒を楽しもうというコンセプトの番組です。
「つぶつぶで呑(の)む」というテーマの回がありました。
タラコやイクラの魚卵からイチゴに至るまで様々なつぶつぶ食材を使ったおつまみを色々紹介、中でも美味しそうだったのが「カラスミとチーズの餅包み」でした。
食材は、カラスミ、とろけるチーズ、切り餅の3つ。
フライパンにお餅を置き、そこに水を加えフタをして弱火で約8分加熱、お餅が溶けて柔らかくなったら火を強め余分な水分を飛ばします。
適当に切り分けたお餅にサイコロ状に切ったカラスミとチーズを包み、それを串にさして火であぶり軽く焦げ目がついたら完成。
それにヴェルナッチャ・ディ・ オリスターノというイタリアの白ワインを合わせました。
正直、なんて難しいワインを合わせるのでしょう・・・と思いました。
カラスミはイタリアのサルデーニャ島の特産、同じ州で生産されるヴェルナッチャ・ディ・オリスターノは鉄板の組み合わせ。
でもスペインのシェリーや中国の紹興酒のような酸化風味を持つ味わいは、飲み手の好みが分かれます。
それに購入できるお店が少ないようにも思えました。
ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノはサルデーニャ島のオリスターノで栽培される土着品種ヴェルナッチャから造ります。
ワインを木樽に入れて熟成させるのですが、樽にワインを満了に入れるのではなく一部空間、空気を残します。
そうすることで産膜酵母という酵母菌の一種が発生、空気を好む菌は液面に広がりワインに特有の風味を与えます。
つい最近、このワインを飲む機会がありました。
場所はワインサロン フミエールのイベントでもおなじみの西麻布にあるイル・カンティニエーレ。
グラスワインとのペアリング・コースの前菜「からすみとシラスの冷製パスタ」に合わせたのがヴェルナッチャ・ディ・オリスターノでした。
またまたウルサイことをいうようですが、ワカサギやシラスなど内臓の入った小魚には白ワインは合わないような気がします。
理由は口に入れた時に少し生臭みが出るような経験を何度かしているからです。
ところがこの組み合わせは最高の組み合わせでした。
パスタもワインも両方の味が引き立ちます。
グラスに残っていたプロセッコとも試してみたのですが、やはりヴェルナッチャ・ディ・オリスターノのほうがベストマッチでした。
ワインと料理のマリアージュは本当に奥が深いものです。
イル・カンティニエーレのオーナーソムリエ武智氏はイタリアワインを美味しく飲ませるプロフェッショナル。
ソムリエはワインの知識ももちろん大事ですが、お客様にいかに美味しくワインを楽しんでいただけるか、これが一番肝心です。
さて、ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノに興味津々の私は「カラスミとチーズの餅包み」を作ってペアリングしてみようと思っています!
まずはワインを探さないと!