Fumifumi談義~Who is killing the Great Chefs of Europe ?~

1978年公開の映画「料理長(シェフ)殿、ご用心」

40年前のアメリカ、イタリア、フランス、西ドイツ合作映画です。

7月にWOWOWシネマで放送されたものを、懐かしくて思わず録画してしまいました。

世界のトップ・シェフと美食家が巻き込まれる謎の殺人事件、グルメ・サスペンス・コメディ映画です。

あらすじは、

料理雑誌の出版社を経営するマックス氏は美食家として知られています。

仕事柄、美食を重ねているうちに体重が増え、主治医から「減食しなければ、あと半年の生命」と宣告されてしまいます。

美食家としての誇りを持つマックス氏にとってダイエットは無理難題。

シェフたちが芸術ともいえる料理を生み出せば食べずにはいられません。

でもそれを続ければ確実に生命は縮まります。

「オレの体脂肪とコレステロールはコック達の作り上げた芸術作品だ。
オレはキャンバス。コック達は芸術家。
オレの三段腹こそが、コック達が作り上げた芸術品なのだ!」

とマックス氏が言うシーンがあるのですが、これだけでどんな体系かが想像できますよね。

ある日、マックス氏がバッキンガム宮殿で王室晩餐会を企画します。ボンブ・グラッセ

バッキンガム宮殿の調理場で、グランド・シェフの指揮のもと、

ロンドンのカリスマ・シェフのルイ氏が「ハトの包み焼き」を、

最後を飾るデザートはニューヨークの女性パティシエのナターシャ氏が「ボンブ・グラッセ」を作ります。

晩餐会は大成功!しかしその夜を境に4人のシェフが次々と殺人事件に巻き込まれていきます。

1人目の犠牲者はルイ氏。オーブンの中で焼かれてしまいます。

続いて、ロブスターで有名なイタリアのゾッピ氏が水槽の中で、

フランスの鴨で有名なムリノー氏も鴨の血を絞る道具ダック・プレス機で頭を砕かれて・・・。

さて、ナターシャは?

殺人事件が絡んでくるのでちょっと怖い印象を受けますが、ユーモアのセンスにあふれた、映像がとてもきれいな映画です。

パティシエのナターシャ役ジャクリーン・ビセットは1944年生まれ、

出演当時は30歳ちょっとだったのですが、映画の中の私服やコックコート姿がとてもかっこよくて憧れました。

見たことも食べたこともない鳩やオマール海老や鴨の料理をいつか食べながら美味しいワインが飲める大人になりたい!

物語の舞台となったロンドン、ヴェネツィア、パリにもいつか行ってみたい!

憧れでいっぱいの映画でした。

ワインの仕事に携わり25年。

少しでも憧れを経験できたことは本当に良かったと思っています。

でも最近は物質的なことよりも、それを誰と一緒に経験できたのか、それが一番大事なのでは、と思うようになりました。

「真の贅沢というものは、ただ一つしかない、それは人間関係という贅沢だ。」
サン=テグジュペリ『人間の土地』(新潮社文庫)

『星の王子さま』の作者サン=テグジュペリ(1900~1944)の言葉が身に染みる今日この頃です。


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