ジン・トニック、キールロワイヤル、カンパリソーダ。
この3つのカクテルにはそれぞれ思い出があります。
ジン・トニックは生まれて初めてバーで飲んだカクテルです。
ピアノの生演奏を聴きながら大人になったような気分になりました。
キールロワイヤルは3つ星のレストランに初めて行った時に飲んだ食前酒。
当時の私には舞い上がるような味でした。
そして、カンパリソーダは20数年前に働いていたイタリアンレストランのことを思い出す飲み物です。
当時のカンパリ輸入会社サントリーさんのご提案で「カンパリとカンツォーネの夕べ」というイベントを開催したことがありました。
ちなみに2017年6月6日に日本国内でのカンパリ販売権をアサヒビールさんが獲得、9月1日から発売を開始しています。
お客様がカンパリを注文すると3人組のカンツォーネ歌手がマンダリンを弾きながら、そのテーブルの前で歌うという素敵なイベントでした。
「オーソレミーオ」、「帰れソレントへ」、「忘れな草」、「黒猫のタンゴ」、「サンタ・ルチア」、「フニクリ・フニクラ」など、意外と知っている曲が多いのに驚いた記憶があります。
イベントの日は注文されたカンパリソーダをカンツォーネの歌声を聴きながら作りました。
そのときの記憶が強く残っていて、今でもカンパリソーダを飲むと心地よいカンツォーネの歌声が聞こえるような気がします。
そのカンパリについて調べてみたのですが衝撃的な事実がわかりました。
カンパリは1860年にバーテンダーをしていたガスパーレ・カンパリ氏が、ミラノのドゥオモ広場に出店した「カフェ・カンパリ」で提供したリキュールです。
ガスパーレ氏は研究熱心でカフェの地下で様々なお酒を開発したそうです。
現在も当時の門外不出のレシピで生産されているカンパリは、特に胃に良い飲み物といわれています。
使用原料は「ビターオレンジ・ピール」、「キャラウェイ」、「コリアンダー」、「シナモン」、「リンドウの根」など、60種類ほどのハーブ類やスパイス類。
オレンジピールは漢方では「トウヒ」として健胃薬に、コリアンダーは「胃腸を休める」ハーブティーとして、キャラウェイは「消化促進に良い」カレーのスパイスに、「シナモン」は消化吸収作用があるとして多くの漢方に使われています。
やはり胃薬の効能がありそうですね。
カンパリのきれいな赤色は2007年10月から着色料の赤色2号、青色1号、黄色5号が使用されているのですが、それ以前は、なんと、なんと、エンジムシというウチワサボテンに寄生する昆虫の色素が使われていたとのこと。
エンジムシのオスは体長がマッチの先と同じぐらいの大きさでメスはその半分、つぶすと赤い色が出る虫だそうです。
これを知った時、虫の色が付いた飲み物を飲んでいたのかと思うとちょっと気味が悪くなりました。
でも今は自然ブームなので「虫の色」というキャッチのほうが、消費者受けするかもしれませんね(笑)
今、ワインサロン フミエールの日本ソムリエ協会呼称資格二次試験対策講座で使用しているワイン以外のお酒は50種類以上。
ひとつひとつ歴史やら効能やらを調べてみたら面白そうです。
まずは大好きなカンパリを飲みながら、このウンチクを誰かにお話ししたい!
そして、次は大好きな「ジン」を調べてみようと思います。