ワインをジャケ買いしたことはありますか?
ジャケはジャケットのこと、ラベルのデザインが気に入って中身の良し悪しはわからないけれど思わず買ってしまうことをいいます。
もともとはアナログ時代のレコードに収録されている音をチェックせず、外装のデザインだけで購入することを指す言葉でした。
最近、日常的に飲むワインをジャケ買いすることが多くなりました。
我が家の定番ワインは数アイテムあるのですが、ちょっと違うものを飲みたいなと思うときは、ラベルに記載されている銘柄(ブドウ品種)、生産者、収穫年、原産国(生産地)、アルコール度数など基本的な事項はサラッと目を通し、ラベルの印象で購入してしまいます。
「人もワインも大事なのは中身!」
本当にその通りだと思うのですが、1000~2000円程度の価格で試飲ができない場合はやはりジャケ買いをしてしまいます。
以前、劇作家でもあり演出家でもある元大学助教授の竹内一郎氏の著書『人は見た目が9割』(新潮社)がベストセラーになりました。
喋りはうまいのに信用できない人と、無口でも説得力にあふれた人の差はどこにあるのかというのがテーマになっていて、目次を抜粋すると、「人は見た目で判断する」、「女の嘘が見破られない理由」、「色と匂いに出でにけり」、「行儀作法もメッセージ」など、人の印象を左右しているのは見た目だったという内容です。
調べてみると、もともとアメリカの心理学者アルバート・メラビアン氏の著書『 Silent messages(非言語コミュニケーション)』を参考にしているようです。
メラビアン氏は、人物の第一印象は初対面の3~5秒で決まり、またその情報のほとんどを視覚から得ていると解説しています。
メラビン氏の情報とは以下の3つに分類されます。右横の%は影響される割合です。
・視覚情報(外見、顔の表情、しぐさ、視線など)55%
・聴覚情報(声の質、話す速さ、声の大きさ、口調など)38%
・言語情報(言葉の意味、話の内容など)7%
視覚と聴覚を合わせて93%、言語はわずか7%です。
竹内氏はこれを踏まえコミュニケーションで重要なのは言葉ではなく、能力や性格もひっくるめて「人は見た目が9割」であるといっているわけです。
ワインのラベルの話に戻りますが、あながちラベルの印象でワインを購入するのは間違っていないような気がしています。
日本のワイン市場は年々広がりを見せ、多くのワインが店頭に並び、消費者はひとつのブランドに縛られることなく新しいワインを求める傾向にあります。
ラベルが気に入ったという単純な理由であっても、美味しければ、そのワインのリピーターになる可能性を秘めています。
棚に並んでいるワインから、造り手の熱い想いや哲学が伝わってきたり、中身の品質が推測できたり、心がウキウキするような見た目であったり、そんなパワーを感じたら思わず買ってしまうかもしれません。
実は私好みのラベルは、我が家のペットの犬、猫、亀のデザイン。
我が家のペットたちがデザインされているとジャケ買いしてしまいます!