あっ、そういえば、「ソラリス信州東山カベルネ・ソーヴィニヨン」がセラーにあったはず!
そう思い出したのは、先日、マンズワインの新社長に島崎大氏が就任したことを知った時でした。
島崎氏は、山梨大学工学部発酵生産学科を卒業後、1983年マンズワイン株式会社に入社。
1987年に渡仏し、ボルドー大学でワインを学び、シャトー・ラトゥールでの実習を経て、ワイン醸造士フランス国家資格(1989年)とワインテイスティング適性資格(1990年)を取得しました。
帰国後現場に復帰、2001年にソラリスの醸造責任者に就任、コンセプトやネーミングも手がけたそうです。
ソラリスは「日本のブドウを使って世界で勝負できるワインを造りたい」という思いから誕生したマンズのプレミアムワイン。
カベルネ・ソーヴィニヨンだけではなく、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、メルロー、マンズで交配させた信濃リースリングの辛口と甘口、古酒甲州など、品種価格ともに幅広いアイテムが揃っています。
ソラリスのフラッグシップ、トップワインは「信州東山カベルネ・ソーヴィニヨン」。
上田市塩田平東山地区の標高約550メートルの南向き斜面に植えられたブドウを使用しています。
畑の辺りには塩田平という盆地があり、元々その場所は耕作地ではなく松林だったため肥料などが残っておらず、ブドウ栽培には最適な土地でした。
余談ですが、秋になると隣の松林に松茸が生えると聞いたことがあります。
今も松茸が採れるのであれば「信州牛と松茸のグリル」にソラリス東山を合わせてみたい!
厳しい収量制限のもと、収穫も除梗も人の手で行われ、丁寧に醸造されたワインは新樽をほぼ100%使用します。
ワインは毎年造られるわけではなく、ブドウの出来が悪い年はトップクラスのワインは生産しないそうです。
例えば、上田が雹害に見舞われた2010年、仕込みの早い段階でカベルネ・ソーヴィニヨンの厳しさを感じ、「ソラリス信州東山カベルネ・ソーヴィニヨン」も「ソラリス信州カベルネ・ソーヴィニヨン」も造りませんでした。
2007年は最後の最後まで悩んだそうですが、「ソラリス信州小諸メルロー」はあきらめ、「ソラリス信州東山カベルネ・ソーヴィニヨン」だけを造りました。
そのワインは2011年日本ワインコンクールヨーロッパ系品種赤の部門最高賞と金賞を受賞しています。
ブドウの出来不出来は自然に左右されるものです。
人ができることは徹底的に手を尽くして、それでもダメなら「造らない」という判断を下す島崎氏。
高い品質を追求する妥協を許さない姿勢に脱帽です。
さて、セラーで10年寝かせた2004年の「ソラリス信州東山カベルネ・ソーヴィニヨン」は年内に飲むことに決めました。
ちなみに2004年ヴィンテージは、2008年国産ワインコンクールで金賞を受賞しています。
その味わいはいかに!
今から楽しみです。