最近、デヴィーン(Devin)というスロバキアの固有品種を使用した白ワインがちょっとお気に入りです。
香りと味のバランスが印象的で、何度となく飲んでいるのですがいつも美味しいと感じています。
スロバキアは中央ヨーロッパに位置する国。
北海道の5分の3ほどの面積で、チェコ、ポーランド、ウクライナ、ハンガリー、オーストリアと国境を接しています。
国土の3分の1が山岳地帯で、日本と同じようにはっきりとした四季があり、内陸性の気候のため気温の変化が大きいのが特徴です。
12月から2月にかけての冬は厳しく、雪が降ったり、強風が吹いたり、気温がマイナスになる日も多いとか。
世界遺産が7箇所あるのですが、そのひとつ「スピシュスキー城」は、宮崎俊監督のスタジオジブリ制作長編アニメ映画『天空の城 ラピュタ』のモデルになったそうです。
ワイン造りの歴史はかなり古く2000年以上前にさかのぼり、紀元前6~7世紀にはケルト人によって生産されたワインが高級品として北部地域に輸出されていました。
白ワインの生産量が若干多く、主な白ブドウは30種類弱、黒ブドウは10種類程度が栽培されています。
赤はカベルネ・ソーヴィニヨン、ルランスケー・モドレと呼ばれているピノ・ノワール、白はシャルドネやソーヴィニヨン・ブランなど世界の市場に多く出回っている品種もありますが、隣接しているハンガリーやオーストリアの土着品種も栽培されています。
さて、私が気になっているデヴィーンはゲヴュルツトラミネールとヴェルトリンスケ・セルベノ・ビエレ(Gewurztraminer×Veltlinske cerveno-biele)の交配品種です。
品種名の由来は、ドナウ川沿いにあるデヴィーン城と同じというところまではわかったのですが、何しろスロバキアの文献が少ないのでまだ調べている最中です。
この城は1809年にナポレオンに攻め落とされるまでローマ帝国の重要な要塞でした。ナポレオン1世率いるフランス軍に破壊され、現在は廃墟のまま残っています。
ワインの歴史を紐解くと必ずといっていいほどナポレオンが登場するのが面白い!
ナポレオンとデヴィーンの関係をもっと調べてみますね。
デヴィーンの特徴は落ち着いたスパイス香とフルーティさがあり、ゲヴュルツトラミネールの遺伝子をかすかに感じる味わいです。
先日、菜の花のお浸しと筑前煮と合わせてみたのですが、とっても良いペアリングでしたよ。
世界中には経験したことのないブドウ品種が沢山あるものです。
ワインは知れば知るほど、もっともっと好きになる、興味深い飲み物です。