今夜は白ワインと赤ワイン、どちらにしようかな~?と毎日悩みます。
ところが、白か赤で迷うだけで、「今日はロゼかな?」と思うのは年に数回しかありません。
そういえばワインを飲み始めたころはよくロゼを飲んだものです。
もう何十年も前のことですが、料理人の友人たちと中華やベトナム料理店で食事をするときは必ずと言ってよいほど南仏のロゼワインを飲みました。
ワインの勉強を本格的に始めた頃から、ブドウ品種の個性が知りたくて白や赤を中心に飲むようになりました。
ロゼは外観のきれいさや華やかさにひかれるのですが、ブドウ品種の特徴がつかみにくいという理由で白と赤に気持ちが向いていたような気がします。
「ロゼワインは赤ワインのコクと白ワインの飲みやすさを合わせもった気軽に楽しめるワイン」という説明を目にしたことはありませんか?
ロゼは赤ワインと白ワインを混ぜて造られる簡単なワイン?いえいえ、ヨーロッパではワイン法で製法がきびしく規制されていて、泡の無いロゼワインに限り、完成したワイン同志を混ぜて造ることはできません。
ただし、ヨーロッパ以外の生産地オーストラリアや南米のチリやアルゼンチンなど、安価なロゼの多くは完成したワインをブレンドして造られることがあります。
ロゼの製法に関しては世界中で異なる制約があるため、それが問題視されることが今までも多々ありました。
ヨーロッパでは禁止されているブレンドですが、過去には欧州連合・EUがロゼの製法として、赤と白のワインを混ぜることを許可したことがあります。
しかしその後、反対意見が殺到、許可を撤回して不許可の決定を下しました。
もう一度整理をすると、2009年3月EUが完成した赤と白のワインを混ぜてロゼにすることを許可、2009年4月世界貿易機関・WTOがそれを許可したEU委員会に異議、2009年6月にEUが完成したワイン同志を混ぜてロゼにする製法の許可を撤回、という超スピードでロゼの造り方が二転三転したのです。
短時間低コストで安易にできる赤ワインと白ワインのブレンドは、新しいワイン生産地の発展に伴い、ヨーロッパのワイン産業全体の競争力を高めたいという希望からできた法案でした。
しかし、伝統を守りたいという生産者もいて、昔ながらの製法を否定されることが許せなかったのかもしれません。
比較はできないかもしれませんが、日本酒の世界でも同じようなことが起きているような気がします。
杜氏制度を廃止した酒蔵や、精米歩合にこだわるのではなく低精白米の技術を進歩させることに力を注ぐ日本酒の新しい在り方。
伝統を守る酒蔵も、新しいことに挑戦する酒蔵もどちらも高品質で美味しい日本酒を造りたいという気持ちに変わりはありません。
ただ、私の小さな希望としては、造り方はどうであれ美味しいお酒が飲みたい!
美味しくて誰もが飲みたくなる高品質のワインが、これからのワイン人口を増やしていくと考えています。
さて、お花見をしながらロゼワインでも飲みましょうか?
あなたのお気に入りの美味しいロゼワインがあったら教えてくださいね!