fumifumi談義~マンズワイン小諸ワイナリー訪問~

10月初旬、8年ぶりにマンズワイン小諸ワイナリーを訪問しました。

初めて小諸ワイナリーを訪れたのは1980年代後半。

それから2010年まで、1年に4回くらいのペースでブドウ畑の作業をお手伝いさせていただきました。

冬の剪定、春の芽欠き、夏の剪定と摘房、秋の収穫と仕込み!

ワイン仲間と一緒に、日帰りの時もあり、宿泊の時もあり、小旅行気分で小諸を楽しみました。

思い起こせば、ひとりで小諸に行き、朝9時から夕方17時までスタッフの皆さんと同じように畑で仕事をしたこともあります。

一番記憶に残っている作業は、ソーヴィニヨン・ブランの苗を植える予定地の手入れ。

畑には黒いビニールが敷き詰めてあり、その下にホワイトアスパラガスがニョキニョキ生えていました。

それを取り除く作業をしたのですが、引っこ抜いたホワイトアスパラガスは自宅に持ち帰らせていただきました。

前かがみで作業をしたので腰がメチャクチャ痛くなりましたが、採りたてのホワイトアスパラガスは腰の痛みを忘れるほど香り豊かで美味しかったのを覚えています。

そういえば、「この畑のソーヴィニヨン・ブランが製品になったら、ラベルは絶対にホワイトアスパラガスの絵にしてくださいね」とお願いしたことを思い出しました。

ずっと忘れていたのですが、その提案はボツになってしまったようです。チョットがっかり。

マンズワイン株式会社(設立時の名称は勝沼洋酒株式会社)は1962年に醤油で有名なキッコーマンのグループ会社として誕生しました。

その設立に大きくかかわったのが、同じくキッコーマンの子会社、農産加工食品の製造を目的とした吉幸(キッコー)食品工業株式会社(現在の日本デルモンテ株式会社)です。

当時の社長が加工専用種のトマトを導入するために長野県に視察に訪れました。

善行寺近辺の農家の軒先に立派なブドウがたわわに実っているのを発見、そのブドウが気になり、東京大学の「酒の博士」坂口謹一郎名誉教授(1897年~1994年)に相談をしました。

坂口氏は「いいワインができると思うから試したらどうか」と言われたそうです。

そのブドウは「善光寺」、別名「竜眼」。

現在、マンズワイン株式会社は山梨県勝沼町と長野県小諸市にワイナリーがあります。

もともと善光寺ブドウから始まったワイン造りですが、現在では大量生産のワインは勝沼ワイナリーで、小諸ワイナリーでは主にヨーロッパ系ブドウ品種を使った高級ワインを生産しています。

日本のブドウから素晴らしいワインを造りたい、世界の銘醸ワインに負けないワインを造りたい、創業以来ずっと思い続けていることだそうです。

そんな思いを込めて2001年から販売された「ソラリス」のシリーズは、毎年コンクールで輝かしい賞を多数受賞しています。

とても素晴らしいことだと思うのですが、2017年12月にマンズワイン株式会社の代表取締役社長に就任した島崎大氏は、ある記事にこんなことを書いていました。

「本当の銘醸ワインは出品すらしないんです。うちもそこが最終目標でしょう」

なんだか、かっこいいですよね!
fumifumi談義~マンズワイン小諸ワイナリー訪問~
今回の訪問で9アイテムのワインをテイスティングさせていただいたのですが、いずれも素晴らしいワインでした。

でも、ちょっと気になったワイン、それは2010年にリリースされた「ソラリス 信州 ソーヴィニヨン・ブラン」。

まだ樹齢が若いとのことでしたが、もしかしたらこのワインは私がホワイトアスパラガスのラベルにしてほしかったワイン?

ホワイトアスパラガスの季節になったら、このワインとのペアリングを楽しんでみようと思います。


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