fumifumi談義~ジビエ~

焼肉、ステーキ、すき焼き、ローストビーフ、しゃぶしゃぶ、とんかつ、ジンギスカン、もつ鍋。

元気が足りないときに肉料理を食べるとパワーがもらえるような気がします。

特に秋冬限定のジビエは、(肉好きの私だけかもしれませんが)身体だけではなく心のエネルギーチャージもできてパワー全開です。

最近ではジビエを扱う飲食店が増え、気軽にグルメサイトでも調べられるようになりました。

実はジビエを扱う飲食店が増加しているのには理由があります。

野生鳥獣による農作物の被害額が2010年をピークに日本全国で約200億円前後になっていました。

被害の過半数は鹿や猪によるものです。

そのため国の政策として生息頭数半減を目標に、法の改正や処理加工施設の整備を進めてきました。

結果、野生鳥獣の肉は無駄にされることなく安価な食材として流通するようになりました。

輸入に頼ることが多かったジビエが手軽に入手できるようになったのです。

さて、以前よりも気軽に食べられるようになったジビエですが、本当に一般消費者の認知度は上がっているのでしょうか?

調べてみると「ジビエの消費動向」というテーマで(株)日本政策金融公庫が調査を行っていました。

調査時期は平成30年1月、全国の20歳代から70歳代の男女 2,000人(男女各 1,000人)を対象としたインターネットによる調査です。

調査の結果、ジビエという言葉は6割強の方が「知っていた」と回答しています。

最多は50代で、50代から離れるにつれて認知度は低くなります。

50代以上の約4割がジビエを食べた経験がありました。

食べたことのあるジビエの種類は複数回答なのですが、猪75.9%、鹿64.8%、鴨53.1%、雉21.6%、熊19.9%、野兎14.6%、山鳩9.9%の順番です。

ジビエを食べた経緯に関する質問では「自ら狩った又は知人が狩ったジビエを購入もしくは譲り受けた」36.9%、次いで「地元のレストラン等で注文した」35.4%となっています。

ちなみに月に数回以上ジビエを食べている方の56.3%は飲食店で食べていました。

このジビエの消費動向の調査に関しては、住んでいる都道府県、家族構成など、様々な条件で回答が変わってくるかもしれませんが、もともと狩猟を生業とするマタギが捕った肉の郷土料理、ぼたん鍋(猪)、もみじ鍋(鹿)、鴨鍋等をジビエ料理として認識している人が増えているのは確かなようです。

でも私のジビエのイメージは、やはりフレンチやイタリアンで一品料理として出されるもの。

肉を口に含み目を閉じると、フランスの肉屋の軒先に猪や雉などがズラリと吊るされて熟成するのを待っている光景が目に浮かびます。

今は清潔安全第一、そのような肉屋はありませんが(笑)

さて、私は十数年レストラン勤務だったということもあり、コックやパティシエの友人が沢山います。

「もしかしたら知り合いが出演するかも?」と期待に胸を膨らませながら観ていた料理番組がありました。

1993年から1999年まで放送されていた「料理の鉄人」です。

放送が始まってから一年めの秋、日本一のジビエ料理人を決める「ラ・ロシェルの坂井宏行シェフ対アラジンの川崎誠也シェフ」の対決がありました。

お題は鶉(ウズラ)。

ところがこのウズラという食材が視聴者の間で賛否を巻き起こすことになります。

「ウズラってジビエ?」「野生のウズラだったらジビエでしょ?」「だって野生のウズラは保護鳥じゃないの?」

ウズラはハンターが仕留める獲物というより、棒を支えにして籠を斜めに立たせた罠で捕まえるイメージ?

でも確かに野生のウズラはジビエです。ちなみに雀もジビエなんですよ。

日本では個体数が少ないため狩猟は禁止されていますが、1日あたり1人5羽まで狩猟制限されていた時期もありました。

しかし現在は野生のウズラは全て輸入ものだそうです。

川崎シェフの作った料理は「鶉の詰め物」。

ウズラのおなかにリ・ソヴァージュ(ワイルドライス)を詰めた美味しそうな一品でした。

どうしてもその料理が食べたくて、広尾の川崎シェフのお店「アラジン」に行きました。

そして、アラジンで食事をした帰りにナショナルマーケットで冷凍ウズラを購入、見よう見まねでウズラの詰め物を作った記憶があります。

自画自賛ですが想像以上に美味しくできました。

そろそろジビエの季節も終わりですね。

春は山菜とワインのペアリングを楽しもうと計画中です。


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