子供の頃、炊き立てのご飯と一緒に食べるコンビーフが大好きでした。
よく食べていたのはノザキのコンビーフ。
台形の缶の上に付いている付属の巻き取り鍵でグルグル缶を開けるのが楽しみでした。
コンビーフは塩漬けした牛肉を煮沸してほぐした後、食用油脂や調味料などを配合したもの。
牛肉100%が基本です。
ところが、英語のスペルは「corned beef」、cornedはcorn(コーン)トウモロコシのこと。
なぜトウモロコシ?
諸説ありますが、昔は塩の粒がトウモロコシの粒くらいの大きさだったことから
塩漬けにすることをcornedというようになったそうです。
最近、手作りの高級コンビーフがテレビや雑誌などでも紹介されていますが、
スーパーマーケットでよく見かけるのはノザキ、K&K、明治屋など300円前後のもの。
手軽に購入できる3つのコンビーフを食べ比べてみました。
私の勝手な感想ですが、
牛の旨みがしっかりと感じられるノザキ、
やさしい塩味ですっきりとした後味のK&K、
しっとり柔らかい食感で口当たりの良い明治屋。
コンビーフにもそれぞれ個性があるものです。
その個性にあわせてワインを選ぶのも楽しいかも!
先日、義兄宅でお正月用に準備されたコンビーフ(300円缶ではないことは確か!)と
姪っこがイタリアで購入したお土産ワイン「ティニャネロ2015/アンティノリ」をペアリングしました。
ティニャネロはトスカーナ州のキアンティ地区で造られるスーパー・タスカン(スーパー・トスカーナ)。
イタリアの伝統や格式にこだわることなく美味しさを追求したモダンでスタイリッシュなワインです。
2015年ヴィンテージはサンジョヴェーゼ80%、カベルネ・ソーヴィニヨン15%、カベルネ・フラン5%。
上質なサンジョヴェーゼに感じられる心地よい酸味と引き締まった渋味、しなやかで繊細な口当たり。
ティニャネロの凝縮された果実味が肉の旨みを引き立てるペアリングでした。
イタリアにもコンビーフのような食材があるんですよ。
伝統的なものではヴェネト州のスフィラッチ・ディ・カヴァッロという馬肉を塩漬けにして細かく裂いたもので、
家庭で手軽に購入できるシメンタール社製は缶詰入りで細かい牛肉とゼラチンを固めたもの。
イタリアの人たちもワインのおつまみにしているかもしれませんね。