昨年の9月以降から続いているオーストラリアの森林火災がますます深刻になっていますね。
オーストラリアだけではなく同時期にアマゾンでも大規模な火災がありました。
世界中の国々に起きている洪水、干ばつ、熱波、ハリケーン。
災害のニュースを見るたびに胸が痛みます。
多くの人が知っている情報ですが、極端な高温や大雨などの異常気象は地球温暖化と深い関係があるといわれています。
温暖化が進み、地球の平均気温が3.5度上がるとカリブ海や太平洋の島国は
海面上昇により消滅する危険性があるともいわれています。
昨年7月にドイツでも気温が42.5度に上昇、気象観測史上最高となりました。
ドイツ国内の現在の気温と1961年から1990年までの平均気温を比較すると2度の上昇がみられます。
ドイツはブドウ栽培の最北限に位置し、厳しい環境の中で様々な工夫をこらしながらワインを生産してきました。
ところが、歴史を遡ってみると1500年頃まで年間平均気温が今日よりも1~2度高い時代があり、
当時は3.5倍のブドウ畑が広がっていたのです。
その後断続的に続く寒冷期により気温が下がりブドウ畑が縮小されました。
近年では深刻な問題となっている地球温暖化の影響で約500年前と同じ現象が起きています。
気温の上昇でブドウが完熟、ワインの生産量も2018年と2017年の比較になりますが38%増加しました。
ドイツの生産者にとってはうれしいことだと思いますが、なぜか複雑な気持ちです。
日本の平均気温も1898年以降およそ1.2度上昇、降雪など厳しい環境のもとでブドウを栽培してきた北海道が
世界の注目を集めるワイン生産地へと変化しています。
それでは、世界の平均気温が2度上昇した場合、ワイン生産地にどのような影響があるのでしょうか?
先日、1915年創刊の米国科学アカデミー発行の機関誌に、
気温の変化により世界のワイン生産地が半減する可能性があるという内容の研究論文が掲載されました。
ワイン用の主要ブドウ品種11種類について完熟期がどう変化するかという予測モデルが作成されたそうです。
過去の収穫記録を基に0度、2度、4度に上昇した場合についての研究結果です。
世界の平均気温が2度上昇すると全生産地の56%がワイン用ブドウの栽培が不向きとなる可能性があるとのこと。
ちなみにこの%は現在と同じ栽培や醸造方法でワインの生産が続けられた場合の数値です。
解決策としては、寒冷地に適合しているブドウ品種を温暖な気候を好む品種に変えること。
これにより生産地の縮小を半分に抑えることができるというのが研究者たちの見解です。
別のブドウ品種に植え替える作業は並大抵の労力ではありません。
私たちワインファンが美味しいワインを楽しむためには健康な地球を存続させることが重要なのかもしれませんね。
まずは地球温暖化を防ぐために私たちにできることといえば、日々の暮らしの中で省エネを考えること。
いつかカリブ海に浮かぶ島で海を見ながらシャンパンを飲みたいな~。
カリブ海の島が沈まないように私もコツコツ省エネしたいと思います。