日本は春夏秋冬、四季折々の果物が楽しめる国です。
夏の果物といえばスイカ。
丸ごと1個買うのが毎年のお楽しみなのですが、食べきるのに結構時間がかかります。
スイカは収穫をしてしまうと糖度が上がらない「追熟」しない果実なので、
なるべく早く食べるようにしているのですが、1週間ぐらいは冷蔵庫を占領してしまいます。
スイカの花言葉は「かさばったもの」、「どっしりしたもの」とロマンチックのかけらもない言葉。
スイカの花をプレゼントされたら絶対に怒っちゃいます。
ところが「夏の果物の王様」という立派なニックネームもあり、
熱中症予防に最適な食べ物として紹介されています。
水分90%以上、糖分やミネラル(カリウム・カルシウム・マグネシウム等)が含まれているので
微量の食塩を加えるとスポーツドリンクと同じような効果が期待できるそうですよ。
そして嬉しいことに100gあたり37kcalと低カロリー。
食物繊維が豊富でたっぷり食べてもダイエットの邪魔をしません。
朝食時に食べるのもおすすめで、睡眠中に消費した脳のブドウ糖を補給してくれるので頭がスッキリするのだとか。
スイカはウリ科のつる性一年草で熱帯アフリカ原産、
つるに球形や楕円形の水分に富んだ甘い果実を実らせます。
中国よりも西方の地域から伝わったウリなので「西瓜」、
もしくは水をたっぷり含んでいるので「水瓜」という漢字になりました。
スイカの歴史を紐解いてみると、アルジェリアとエジプトの中間に位置する
アフリカ・リビアでは5000年前の集落からさまざまな果物の遺物と共にスイカのタネが、
エジプトでも3000~4000年以上前に作られた王の墓からスイカのタネと
壁に描かれた楕円形のスイカの絵が発見されています。
古代から野生種のスイカは栽培されていたらしいのですが、
飲める水分を得るためのものだったと推測されています。
確かに、英語ではウォーターメロン(Watermelon)、
フランス語ではムロン・ドォー(Melon d’eau)、意味は水のメロン。
お墓で発見されたスイカの遺物は、死後の世界への長旅で喉が乾かないように
捧げられた王様へのお供え物だったのかもしれませんね。
スイカは薬としても扱われていたそうです。
古代ギリシャの医者ヒポクラテスが、利尿剤として、または解熱剤として、
ときには額に皮を当てて熱を下げるために用いていました。
先日、冷蔵庫に入りきらない大きなスイカを買ってしまったので、
お酒のおつまみやゴハンのおかずになる料理を作ろうと考えました。
本やネットで調理方法を調べてみたのですが、果肉は生で使用するものばかり。
爽やかなスイカの香りを残すためには加熱をしないほうが良いらしいのです。
ウリ科のスイカは加熱すると独特な「ウリ臭」と呼ばれるカメムシのような臭いに変化するそうです。
加熱殺菌したスイカ果汁は市販の飲料には不向きで、
スイカの産地・山形県ではウリ臭を抑えるための対策として一種のアミノ酸を添加する方法を考案したのだとか。
とりあえず火を通さないスイカのスープ・ガスパチョ風を作ってみました。
私は結構美味しいと思ったのですが、ニンニクとオリーブオイルの風味が
スイカの甘さと合わないと家族には不評、ガッカリです。
スイカは塩をかけて食べるのがやっぱり一番美味しい食べ方なのかもしれませんね。