2月14日はバレンタインデーです。
コロナ禍で何かと制約がある毎日ですが、チョコレートで少しでも気分が晴れたらうれしいですね。
実際にチョコレートの味、香り、食感は脳のいい気分を司る部分を刺激するそうですよ。
恋をしたときに感じるのと同じ気分が誘発されるともいわれています。
本命チョコ、義理チョコ、友チョコ、ファミチョコなどプレゼントする人によって色々ネーミングが変わりますが、今年は生まれて初めて自分へのプレゼント・自己チョコを買うつもりです。
チョコレートの本場といえば頭に浮かぶのはフランス、ベルギー、スイスなどヨーロッパですが、生まれは中南米のメソアメリカ、現在のメキシコあたりの地域です。
チョコレートの原料となるカカオ豆を焙煎してからスリ潰し水やトウモロコシなどを加えて食料にしていたそうです。
そういえば以前、渋谷のメキシコ料理店で「ナマズのモーレソース」というチョコレートソースをかけたナマズ料理を食べたことがあります。
ピリ辛で香辛料のきいたチョコレート味に、チリのまろやかなメルロをペアリングしました。
メソアメリカからスペインに持ち込まれたチョコレートの原料カカオは修道士の手によって砂糖を加えた甘い飲み物へと形を変えます。
その後、カカオの粉と砂糖にバターを加えた固形のチョコレートが誕生、ヨーロッパから世界中へと発信されました。
日本にチョコレートが登場するのは江戸時代。
1797年、長崎県丸山の遊女が「しょくらあと」を出島のオランダ人からもらったという記録が残っています。
「しょくらあと」をお湯で溶かし玉子と砂糖を加えてから茶筅で泡立てて飲んだそうです。
ファストフードで玉子入りチョコドリンクを販売したら人気になりそうですね!
そして明治維新とともに舶来ものが入手できるようになりましたが、牛乳を飲む習慣がなかった日本人にとってミルク入りチョコレートは乳臭い食べ物だったようです。
その上、チョコレートには牛の血が入っているというデマが流れたこともあり不人気でした。
ところが大正時代になると一気に贅沢品に!大福が1個0.5銭くらい、チョコレートは1枚10銭と20倍の値段。大卒初任給が月収50円、日雇い労働者の給料が1日2.1円、一般の人には高価で特別な食べ物だったはずです。
昭和、平成、令和と進化を遂げたチョコレートは私たちの身近なお菓子になりました。

さて、メキシコ料理の辛口チョコレートソースと赤ワインは美味しかった記憶がありますが、甘いチョコレートとワインの相性は?
私がソムリエ受験のために勉強していた時は「チョコレートとワインの相性は良くない。合うのはバニュルスだけ」と教わりました。
他にも甘口ワインは色々あるのに、なぜバニュルスだけなのか不思議でした。
チョコレートの味は甘いだけではなく「甘味・酸味・塩味・苦味(ビター)・旨味・ミルク感・カカオ感・こってり感・余韻」など、様々な要素が複雑に絡み合っています。
ということは、白・赤・ロゼ・泡・酒精強化、ブドウ品種、生産国、年号など幅広くワインとのペアリングが楽しめるはずです。
チョコレートには甘口ワインという固定観念に縛られない方が意外な組み合わせを発見できるかもしれません。でも選び方の指標も必要ですよね。
私は、甘味の強弱と苦味(ビター)に注目してワインをチョイスしたいと思います。
飛び切り贅沢な自己チョコを買って、自宅でワインのペアリングを楽しむぞ!