牛丼の松屋で期間販売されていたジョージアの郷土料理「シュクメルリ」がメッチャ気になっていました。
日本ではまだまだ知られていないジョージア料理が身近な牛丼屋さんで食べられるなんて。
でも、なぜ、牛丼屋さんでジョージア料理?
松屋では普段食べたことのない美味しい料理も食べて欲しいという想いから、ジョージア料理の「シュクメルリ」を商品化したそうです。
なんと、ジョージア大使館の方々も松屋を訪問、
「鶏肉、にんにく、チーズのバランスが非常に良く、とても美味しかったです」
とツイッターでコメントしていました。
ジョージアは、シルクロードの要所として栄えた東ヨーロッパのコーカサス地方に位置しています。
西に黒海があり、ロシア、トルコ、アゼルバイジャンなどが周辺の国々。
日本では2015年にロシア語読みの「グルジア」から、英語読みの「ジョージア」に国名が変更になったため馴染みが薄く、ジョージアってコーヒーの国?アメリカの州?という人も少なくありません。
ジョージアでワイン造りが始まったのは紀元前6000年頃、8,000年の歴史を誇っています。
諸説ありますが、「Wine」の語源はジョージア語の「ghvivili(グヴィヴイリ)」が変化したものだとか。これがワイン発祥の地といわれる理由のひとつになっています。
ジョージアのワインが、近年世界的に注目されるようになったのは「クヴェヴリ」による独自の醸造方法。
クヴェヴリは土でできた素焼きの壺の名称で、使い勝手を良くするために内側を蜜蝋でコーティングしています。
この壺は先端が尖っているので安定させるために「マラニ」と呼ばれるセラー内の地中に埋められて使用されています。
ところが、この醸造方法はあまりにも手間がかかるという理由で19世紀頃から減少傾向にありました。
現在、ジョージアワインの生産量の約90%は、ヨーロッパ式、モダン式と呼ばれる近代的な醸造方法で造られています。
2013年にクヴェヴリ製法がユネスコの「無形文化遺産」に登録されたことで独自の文化が再度見直され、徐々にクヴェヴリによる生産が増えてきているそうです。
「原点回帰・出発点に戻り基本を忘れずに」というのはどんな時でも大切なことなのかもしれません。
ジョージア料理はシュクメルリしか食べたことがありませんが、食べてみたい料理が沢山あります。
小籠包のようなヒンカリ、
チーズを使ったピザパンのようなハチャプリ、
ビーフシチューのオーストリ、
ジャーマンポテト風のオジャクリ、
ハヤシライスのようなチャホビリなどなど。
家庭で毎年秋に作られるチュルチュヘラは、くるみを紐に通して周りをブドウジュースと小麦粉を混ぜたもので覆い、乾燥させて棒状にした保存食だそうです。
マツォーニは日本でも一躍有名になったカスピ海ヨーグルトのこと。
ジョージアは日本同様の長寿国で、1986年に疫学研究のためにコーカス地方から持ち帰ったマツォーニを日本で増やし食べ続けたことから世間に広まりました。
ワインエキスパート呼称資格一次試験対策講座の授業では、ついついこのような余談を入れてしまいます。
コロナ禍で海外に気軽に行けない日々がまだまだ続きそうですが、ワインの勉強で世界一周ができるような授業を心がけています。