子供の頃のお弁当の定番といえばウインナーと卵焼き。
お弁当箱のフタを開けたときタコの形にカットされた赤いウインナーが入っていると思わずニッコリ。
そんな楽しい思い出がいっぱい詰まった赤いウインナーは、近所のスーパーで見かけることが少なくなりました。
自然派指向の消費者が増えている現在は、鮮やかな赤い色は人工的な印象を与え、身体への影響なども心配になるのかもしれません。
ただむやみに色が付けられるわけではなく、食品添加物として使用が認められている指定添加物は厚生労働大臣の指定を受けたものだけが許可されています。
使用する目的は、「食品の風味を整える」「色や見た目を良くする」「長持ちさせて保存期間を延ばす」「栄養成分を加えて栄養を強化する」などが挙げられます。
天然由来のものも沢山あり、例えば、ウコン、カラメル、トウガラシ、ニンジンカロテン、ビートレッド、ブドウ果皮、ブラックカーラント、ベニコウジ、ベニバナ、マリーゴールドなどが着色料として使用が認められています。
赤いウインナーの色付けはアナトー色素という、植物のベニノキの種から抽出された天然の色素です。その他、コチニールという着色料を使う場合もあり、これは昆虫から抽出した色素のこと。
17世紀に起源をもつフランス・シャンパーニュ地方特産のお菓子「ビスキュイ・ローズ・ド・ランス」という可愛らしいピンク色のビスケットは昆虫のカイガラムシから抽出したカルミン酸で色付けをしています。
赤いウインナーとシャンパーニュ地方の伝統的なお菓子が同じ色素を使用していたとは驚きです。
ところで、ウインナーソーセージ、ウインナー、ソーセージと日本での名称はバラバラですが、どれが正しいのでしょう?
ひき肉と香辛料を混ぜ合わせてから動物の腸に詰めたものの総称がソーセージです。
あくまでも一般的にですが、羊の腸を使っているものを「ウインナーソーセージ」、豚の腸は「フランクフルトソーセージ」、牛の腸は「ボロニアソーセージ」と呼ぶそうです。中身の肉の種類は名称とは関係ありません。
ウインナーソーセージの「ウインナー」はヨーロッパの歴史ある国オーストリアの首都ウィーンのこと。
ドイツのフランクフルトソーセージの職人がウィーンで独自のソーセージを作ったところ、大好評で「ウインナー風ソーセージ」と呼ばれるようになったのだとか。
ソーセージの歴史を紐解くと諸説ありますが、ワインと同じ頃に発祥したものと考えられています。
最古のソーセージを作ったのはメソポタミア地域のシュメール人で、古代エジプトや古代ギリシャなどの周辺国にも伝えられました。
紀元前900年頃に書かれたギリシャの詩人ホメロスの「オデュッセイア」の中にもソーセージが登場します。
血液を練り込んだソーセージが存在したこと、宴席料理としても食べられていたことなどが分かっています。
古代の人々もワインとソーセージを楽しんだのかもしれませんね。
ソーセージに欠かせないマスタード(辛子)も古代エジプトで医薬品や調味料として利用されていたそうですよ。
学生の頃に日本史や世界史をもっともっと勉強しておけばよかった、といつも後悔するのですが人生をやり直すことはできません。
でも勉強はいつから始めても遅すぎるということはありませんよね。