猫派?犬派?と聞かれたら「猫も犬も大好き、両方派」と答えます。
子供の頃はずっと犬派でしたが、5年前から我が家の一員になった猫が可愛らしくて猫派にもなってしまいました。
日本全国で飼育されている犬と猫の推計頭数(2021年)は、犬が710万6千頭、猫が894万6千頭です。犬の飼育頭数は年々減少していますが、猫は2013年以来緩やかに増加しているそうです。
今や人気上昇中の猫ですが、歩んできた歴史は山あり谷あり、厳しい時代もありました。
犬は猟犬や牧羊犬など昔から色々な役割を与えられて働く人間の良き相棒です。ずっと人間に寄り添って生きてきました。
猫が人間のために役立つ存在になったのは、農耕生活が始まった時からといわれています。
保管している穀物をネズミに食い荒らされて困った人たちが、これを退治するために猫を家畜化しました。
中世になると猫が迫害される事件が起きてしまいます。
原因は、魔女と魔術に関する書物が一種のブームになったことです。
「魔女狩り」、「魔女裁判」が行われるようになり、「猫は魔女の手先である」、「猫は魔女の化身である」など吹聴する宗教指導者も出現するようになりました。
諸説ありますが、魔女と猫を結び付けた理由は、猫の非従順性、夜行性、暗闇で光る目などが要因として考えられているようです。
中でも黒猫は「黒猫=邪悪」というイメージが強く、「黒猫が目の前を通り過ぎると不吉なことが起きる」という迷信が今も残っています。
ところが、日本では江戸時代以前から黒猫は幸運をもたらす動物と考えられていました。
黒猫を飼うと結核が治るという迷信が広がり、新選組の沖田総司も結核を治すために黒猫を飼っていたとか。
夏目漱石の『吾輩は猫である』のモデルになったのも黒猫。
この猫との出会いがきっかけで小説家として有名になった夏目漱石は、その黒猫を福猫として大事にしたそうです。
英国・イングランドでは黒猫が家に入ってきたり住み着いたりすると幸運がやってくると信じられています。
結婚のお祝いに黒猫をモチーフにしたものをプレゼントする習慣もあるそうですよ。
さて、ご存じの方も多いと思いますが、猫&ワイン好きにとって必須の「黒猫ワイン」物語。
19世紀中頃のこと、ドイツ・ツェルの町にワイン商人が買い付けにやってきます。
ワインを試飲して3アイテムまで絞り込んだものの、最後のひとつを決めることができませんでした。
するとそこに黒猫がやってきてワイン樽の上に飛び乗り商人を威嚇し始めます。
その様子を見た商人は「これは特別なワインに違いない」と確信、黒猫が飛び乗った樽のワインを購入することにしました。
そのワインは大人気となり、選ぶ決め手となった黒猫にあやかって「ツェルの黒猫」と名付けられたそうです。
ツェルの黒猫ワイン「ツェラー・シュヴァルツ・カッツ」は生産者が多いので、黒猫ラベルのデザインも様々。ラベルをコレクションしている猫好きさんも多いみたいですよ。
私も最近、可愛い動物ラベルのワインをみかけると、ついついジャケ買いしてしまいます。