ウデブト、アミ、ワモン、ムラサキ、サメハダテナガ、コウモリ、メジロ、オオマルモン、ヒョウモン、メン。
これらはすべて海に棲息するタコの名前です。
マダコ、ミズダコ、イイダコ、ヤナギダコなどはスーパーでよく見かけますが、この他にもこんなに沢山の種類が存在していたのですね。
タコは、栄養ドリンクの成分でおなじみのタウリンが豊富に含まれています。
動脈硬化予防、肝機能強化、そして網膜細胞の機能を正常に保つ働きがあり目の疲れにも効果が望めます。
縁起の良い食材でもあり、大阪府や兵庫県など関西方面では赤ちゃんのお食い初めのお祝い膳にタコを用意するそうです。
お食い初めは生後100日目に「食べることに困らないように」と願いを込めて行う行事。食べるの「た」、困らないの「こ」をつなげてタコなのですね。
お食い初めは食べる真似をするだけなので、赤ちゃんがタコを食べる訳ではありませんが嚙み切れないほど硬いタコでは困ります。
たまたま、YouTubeの動画で見たイタリア・ナポリの伝統的なタコの茹で方。
生タコの頭と足の中間のくびれのところを糸で縛ります。
20cmくらい残した糸の先にコルクを1個くくりつけます。
なぜかスパークリングワインのコルクでした。
タコの形に似ているから?
そして大きな鍋を準備します。
鍋に入れる前にタコを肉叩きの様なものでまんべんなく叩き、水の入った鍋にコルク付きのタコを入れて、火を着け、お湯が沸いてきたら沸騰させない温度でゆっくり茹でていきます。
茹であがったらお湯に浮いているコルクを引っ張りあげて、鍋からタコを取り出して完成です。
タコを柔らかくするためにコルクを1個入れると説明しているのですが、この動画を見る限り肉叩きで叩いて繊維質をほぐしています。
タコが柔らかくなる成分がコルクに含まれているのか気になって調べてみました。
コルクはコルクオーク(ブナ科コナラ属常緑高木)の樹皮を剥いで加工したものです。
含まれている成分は、コルクの弾力性を引き出す細胞壁の主成分・スベリン、
接着剤のような役割を果たす・リグニン、
コルクの触感の決め手となる細胞壁の成分・多糖、赤ワインの渋味成分でおなじみのポリフェノール化合物の一種・タンニン、
防水性を確保する疎水性化合物・セロイド。
水溶性のタンニンがお湯に溶出してタコが柔らかくなるともいう説もあるようです。
ところが以前、釣り好きの友人がたまたま釣ったタコを赤ワインに水を足してコルクを入れて煮たところゴムみたいに硬くなった~といっていました。
赤ワインとコルクのせいかは謎ですが。
先日あるお店で、豊洲市場で仕入れたという特大のタコ足を1本購入しました。
とても美味しい旨味のあるタコでした。
豊洲市場で塩茹で加工するタコの専門店は1軒しかないそうです。
そのお店のキャッチコピーが「蛸は蒸すにあらず、茹でるものなり」。
「蒸す」か「塩茹で」するかの加工法の差によって味や食感が大きく変化するのだとか。
ちなみにこのお店では昔ながらの塩揉み・釜茹で製法にこだわり続けているそうです。
こだわりの美味しいタコを食べて、多幸(タコ)、幸せいっぱいになりました。