最近、チューブ調味料の種類が増えましたね。レモン、オリーブ、バジル、青じそ、紅しょうが、みょうが、ラー油、大根おろし等々、スーパーで色々なものを見かけます。
我が家では使い勝手が良いので、わさび、しょうが、にんにく、からしのチューブ調味料を常備しています。
ところが、からしは種類が多くて購入する時にいつも迷ってしまいます。
和からし、本生からし、和風ねりからし、本からし、特選本香りからし等々、味がどのように違うのかわかりません。
「まぁ~たいした違いはないだろう」といつも適当に選んでいました。
たまたま少し残ったチューブのからしを食べ終えたので新しいものを開けたのですが、味の違いがはっきりとわかりました。
味比べをしたのは和からしと本からしです。
からしの原料はアブラナ科のからし菜という植物の種子です。
その種子が熟したものをマスタードシードと呼びます。
品種は、ブラックマスタード(黒がらし)、ブラウンマスタード(セイヨウカラシナ)、オリエンタルマスタード(和がらし)、ホワイトマスタード(白がらし)の4種類。
和からしの原料はオリエンタルマスタードシードでアリル辛子油という成分が含まれているため、辛味や香りが強く揮発性も高いので鼻にツンとくる刺激があります。
洋からしはマスタードという商品名でも販売されています。
原料はホワイトマスタードシードを使用することが多く、揮発性が低いので辛味や香りがマイルドになるのが特徴です。
本からしは和、洋どっち?
本からしは和からしと洋からしを混ぜたもので、程良い辛味に調整されているそうです。
さて、マスタードといえばフランス・ブルゴーニュ地方のディジョン産が有名ですね。
もともと原料のマスタードシードはブルゴーニュ地方で栽培されていましたが、第2次世界大戦後に生産が工業化され、北米や東欧から原料を輸入するようになりました。
意外にも、世界中どこででもレシピ通りに作れば「ディジョンマスタード」を名乗れるのだそうですよ。
主にブラックマスタードシードを使用、精製してブドウの未熟果から造ったビネガーを混ぜるというのが決まりです。
実際にオランダ、アメリカ、そして日本でもディジョンマスタードの名称で製造がおこなわれています。
ところが地元産にこだわるボーヌの町の家族経営「ファロ」というマスタードメーカーが1990年代にブルゴーニュ地方でのマスタード栽培を復興させました。
2009年に「ブルゴーニュマスタード」という名称がIGP(地理的表示保護)に承認されたのです。
IGPはEUによる食料品の原産地名認定保護の制度です。
マスタードシードと白ワインはブルゴーニュ地方産を使用、そしてボーヌの町で製造することが規定で定められています。
そういえば、フランスでバケツ入りのファロのマスタードをお土産に買ったことがありました。
あのバケツ、とっておけば良かった...
洋からしはフランスマスタード、イギリスマスタード、ドイツマスタード、アメリカマスタードが主流で、滑らかだったり辛味が強かったりハーブ入りだったり色々な味が楽しめます。
日本の和からしも辛さのバリエーションが豊富です。
からし・マスタードとワインのペアリングを色々研究したくなりました。