正月三が日のお客様にはお屠蘇をすすめてから新年のごあいさつをするのが日本ならではの風習です。
3段重ねの盃それぞれに3回に分けて酒を注ぎ3回で飲むというお屠蘇の飲み方は三三九度。
三三九度は室町時代の武家礼法に由来するとされています。
3つの盃は天・地・人を表し、奇数を縁起の良い数とする陰陽道の影響を受けているのだそうです。
縁起の良い奇数は、私たちの身近な祝い事にも反映されています。
3月3日の上巳(桃の節句)、5月5日の端午、7月7日の七夕、9月9日はあまり馴染みがありませんが重陽(ちょうよう)の節句と呼ばれ、菊酒を飲んだり菊の花をめでたりしながら長寿や無病息災を祈願します。
ちなみに1月1日は奇数が重なっていますが、もともと元旦であったため1月7日を「人日の節句」に定め七草粥を食べて祝う日になりました。
奇数が重なるのがめでたいのであれば、祝酒の三三九度は三三三度でも良いはずですよね。
調べてみると、三三九度の九は陽数の中の最高の数字なのでめでたい頂点という説と、かけ算の3×3=9からきているという説がありました。
もし、かけ算が語源だとすると室町時代に九九が使われていたということでしょうか?
かけ算の歴史を紐解いてみると、室町時代以前の奈良時代に使用されていたと思われる九九が記された木簡(もっかん)という木の板が発見されています。
長さ22センチ、幅5センチ、厚さ0.6センチの板の表面に9と8の段が、裏面には7、6、5の段が「九九八十一」というように墨書きされています。
九九の木簡は全国で約80例も見つかっていて、当時の役所で徴税管理などの計算をするために早見表として使われていたと考えられています。
何百年も昔に作られた木簡は丁寧な字で書かれ計算間違いもなかったとのこと。素晴らしいですね。
かけ算の九九は小学校2年生の頃に習うのが一般的。
九九の表を見ながら「にいちがに」「ににんがし」と何回も繰り返して一生懸命暗記をしました。
最近ではかけ算の九九をドラえもん・鬼滅の刃・ポケモンなど楽しい歌のバージョンで覚える方法もあるようですよ。
さて、お正月にふさわしい数字は初夢で見ると縁起が良いとされる「一富士・二鷹・三茄子(いちふじ・にたか・さんなすび)」。
富士は「不死・無事」、鷹は「高い」、茄子は「成す」という言葉にかけられているのは有名な話です。
ところが調べてみると四・五・六もありました。
「四扇・五煙草・六座頭(しおうぎ・ごたばこ・ろくざとう)」と続きます。
四の扇は「末広がり」、五の煙草は煙が上るので「運気上昇」、六の座頭は頭の毛をそった風貌から怪我無い(毛が無い)で「家内安全」を意味します。
初夢の七番目からは探しても見つかりませんでしたが、私だけ「七ワイン」に決定。
ワインは「和飲・輪飲」。
世界中に平和が戻り世界中の人々が輪になってワインを楽しめますようにという願いを込めて。