海胆、海栗、雲丹、すべてウニと読む漢字です。
海胆と海栗は海の中で生きているウニ、雲丹は加工したものを指すそうです。
ウニのフランス語はOursinですが、調べてみると海の熊(ours de mer)、海のハリネズミ(hérisson de mer)、海の卵(oeuf de mer)など楽しい名前が色々ありました。
ウニは約5億年前には地球上に存在していたようです。
日本では縄文時代の遺跡、青森県の三内丸山遺跡からウニ類の殻の破片が見つかっています。
魚の骨などが捨てられている「捨て場」という場所から出土しているため、海から持ってきて中身を食べていたということがわかっています。
それにしてもトゲトゲだらけのウニを最初に食べた人は勇気がありますね。
国内のウニは遺跡が見つかった青森県周辺と北海道産がほとんどで、一般的な旬は6月から8月、最も美味しくなるのは6月下旬から7月下旬だそうですよ。
ウニを楽しめる季節はこれからです。
とはいえ、ウニは高価な食材なので、もう少し手頃な価格になってほしいといつも思っています。
「一度に大量に捕れない」、「鮮度が落ちやすく管理が大変」、「需要に対して供給が少ない」、「養殖しても最低2年かかる」などの理由があり、ウニが高価なのは仕方がないと納得しました。
ところが、鳥取県の日本海沿岸では3~4年前からムラサキウニが大量発生したため駆除をしているのだとか。
陸にあげると産業廃棄物として処分費用がかかるため、海中でウニを叩き割っているのだそうです。
これは地球の温暖化によるさまざまな影響のひとつです。
水温の上昇で海藻が枯れてしまうことがあり、鳥取県の特産であるアワビとサザエの餌が無くなり漁獲量が激減しています。
もちろんウニの餌も無い状況ですが、ムラサキウニは飢餓に強く水温が高くなると活動的になり、海藻の新芽を食べ尽くして生き延びるのだとか。
その結果、大量発生してしまったウニの餌が足りなくなり中身がスカスカに。
美味しくないので売り物ならないため駆除をしなければならないという悪循環が続いています。
まるでウニが悪者のようなイメージになってしまいましたが、地球温暖化を食い止めるためには家庭や個人でもできることに取り組む必要があると強く感じました。
さて、先日美味しいウニ料理を楽しむ機会がありました。
和食でもフランス料理でもウニは色々な調理方法がありますが、焼いたパンの上に大きめにカットしたバターを乗せてたっぷりのウニを乗せたシンプルな一皿。
ウニはご飯と一緒に食べることが多かったのでパンに乗っているのはとても新鮮!
発酵バターとの相性も良く感動しました!